撮影場所 佐久市 中込
撮影月日
13年11月11日
信州佐久平に、現存
する洋風学校建築では
日本で最も古いといわ
れる洋風校舎が残って
いる。
木造二階建で、正面に
ポーチとベランダ、屋
根に八角形の尖塔を配
した、白を基調とした
美しい建物である。
この校舎は、信州の
農村で、しかも建てら
れたのは明治維新まも
ない明治8年であると
いうから驚きである。
この洋風建築をじっと見ているとこの地方の人々の進取の気風と教育への厚い思いが伝わってくる。
二階へ上がっていくと、左右が教室になっていて中央廊下の正面に円形の大きなステンドグラスが
子供たちの背丈に合わせたように埋め込まれていた。
ステンドグラスを透った外光が赤・青・緑・黄の光となって明治の人々の気概を伝えるかのように射
し込んでいる。ここで学んだ子供たちは、その光の中にいち早く、新しい時代の到来や、西洋文化へ
の憧れ、開かれた未来を感じて夢を育んだに違いない。
この校舎は「旧中込学校」と呼ばれ、昭和44年に国の重要文化財に指定されて現在は教育史料館に
なっている。中込小学校の前身である。