信州の松本・安曇平や上田盆地には沢山の道祖神が
祀られている。中には子孫繁栄を祈った奇妙な形をし
た道祖神もある。
この道祖神は、信州の鎌倉として有名な上田市塩田平の野倉にある「夫婦道祖神」である。
野倉は独鈷山と女神岳に挟まれた過疎化(最近は都会から移住する人が増えている)した小さな
部落で、別所温泉からは山道を歩いて30分ぐらいの所にある。
道祖神の傍に立つ看板には次の様な事が書かれている。
上田小県地方に残されている道祖神にはいろいろあるが。この道祖神のように自然石の全面を円形にほり
その中に 男神 女神の像を刻んだものは珍しい。
男神に衣冠束帯、女神には十二単衣の服装で、お互いに肩に手をかけあい、女神が男神の手を握りしめ、目を細
くしてニ神とも笑いあっているところがほほえましい。
夫婦和合の秘訣はこのあたりにあるらしい。家庭円満・子宝の神として信仰され、また。縁結びの神として
信仰厚く、遠方から訪れる人が多い。
毎年二月上旬の祭日には藁馬に餅俵をつけて参拝する行事が昔ながらに行われている。
(建立年代・由緒等 不詳)