三 重 の 塔
(西 福 寺)
西福寺は、真言宗豊山派のお寺で、弘仁年間(810〜824)に弘法大師が国家鎮護のため創建されたと
伝えられる古刹です。寺内には、三重塔と観音堂があり三重塔は、三代将軍家光公の長女」千代姫が
奉建したもので、高さ約23mあり埼玉県下では一番高い木造建造物です。
棟札銘文によると、この塔は、元禄6年(1693)3月27日に建立完成されたものです。鉄製の釘は一本
も使わず細工によって作り上げてあり、構造は方三間で、一層の天井から真上に一本の柱を建て、
その柱から二層・三層の屋根に梁を渡しバランスをとって、風にも地震にも耐えるように工夫されて
います。一層の天井近くにある「蟇股」には、十二支をあらわす動物の彫刻が刻まれ、方向を示して
います。(昭和58年3月 埼玉県 川口市)
(撮影月日 18年2月15日)