オ ト シ ブ ミ

(ホトトギスノ落し文・カッコウの落し文とも言う)

5月5日、伊豆ヶ岳〜子ノ権現まで歩いた、約5時間のコースである。訓練のためよく来るコースで
既に何回となく歩いている。 子ノ権現は足腰を守る神様で、ご利益があるようにと何時も鐘楼で
鐘を一つ鳴らしている。伊豆ヶ岳から高畑山に向う山道には、「落し文」がたくさん落ちていた。
最初は何であるのか全然解らず、帰って来てから神奈川県森林インストラクターの宮本さんに問合
せしたところ、「オトシブミ」であろうとのことであった。調べた結果まさしくオトシブミだった。

(写真にマウスを持って行きますと説明が出ます)

匠の技 たくさんの落し文

成虫1 落し文作成中 約30分を要する。 落し文の中の幼虫

オトシブミ科   英名 : Leaf-rolling Weevil

オトシブミの成虫は、体調7〜10mmで日本全土のほか、朝鮮半島・中国東北部・シベリヤに分布している。
成虫は5〜8月頃現われ、クリ・クヌギ・ナラ・ハンノキ・ニレなどの葉を巻き、「ゆりかご」をつくり、この
中に卵を一個ずつ生みつける。完成後ゆりかごは地面に切り落とされる。幼虫は地面に落ちた「ゆりかご」の
中で葉を食べて育つ。産卵後1ヶ月で成虫なり「ゆりかご」から出てくる。「ゆりかご」を一個作るのに約30分
一日1〜2個作り、7月上旬ごろまでに20〜30個作る。「落し文」の名は、「ゆりかご」の形が巻き文に似ている
ことによるが、俳句の世界ではホトトギスが山から<運ぶ便りとし、初夏を示す季語で、こんな俳句がある。

落とし文拾いて渡る思川   松尾ふみを

落とし文開く一人をうち囲み  京極昭子

また、信州の子供達は「からすのお土産」とか「スズメのお土産」と呼んでいる。
オトシブミが使った葉を煎じて飲むと、風邪がたちどころに治るという俗説もあった。


2003.May  Higashikawa


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